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彼と彼女のパラフィリア◆10「彼と彼女のお買い物」

響が彼氏である甲斐の家に住みはじめて、どれくらいになるだろう。それなりに荷物は持ってきたが、女性の持ち物としてはあまり量は多くはない。彼女が使わせてもらっている部屋は余っているとは言え、多分8畳ほどあるのではないかという広さで、なんといっても大きなクローゼットが魅力だった。持ってきた荷物を収納しただけで3割埋まったかどうかで、荷物がいっぱいになることがなさそうだね、と引っ越した当初は二人でそんな話をしていた。
自分の収入ではないが、少しお金の使える状況になると、つい出てしまう乙女心。
可愛くいたい。綺麗でいたい。
彼女のそんな気持ちが洋服や化粧品、カバンや靴などを買い揃え、気づけばクローゼットがほぼ埋まるほどになっていた。
そんな光景をみた彼は、腕を組み少し悩んだ様子で眉をひそめながら言う。

「さすがにこの買い物はやりすぎ。これから買い物するときは一緒のときだけにしよう」
「えー、別に高くないんだよ?」

彼女が買っている洋服は数千円のものばかりで、自分の収入でほとんどを賄っているから、そこまで文句を言われる筋合いはないのかもしれない。
ただ、彼も彼女もとある特殊な性癖から出会ったので、こういう状況で「お約束」をするのはひとつのアクションのスタートだとお互いに感じている。

「とにかく食料品以外の買い物は、俺と一緒のときだけにしろよ」
「はぁい」

響は不本意そうな表情を見せながら、しぶしぶ了承する。そんな彼女の顔を見て、甲斐はにっこりと優しく微笑みかけた。

「買いたいものがあるなら一旦持ち帰って俺に相談しろよ」
「うん」
「約束な」
「……っ、うん」

「約束」といえことばに、響の瞳は少し陰りを見せたが、すでに笑みを浮かべている甲斐に合わせて微笑み返した。

「響、わかってる?約束だからね」
「あー、うん。大丈夫」

響は指でOKサインを出し、引きつったような作り笑いを見せたので、甲斐は思わずその真偽を確かめるためか、響の顎を人差し指ですくいあげると、ぐっと視線を無理やり合わせた。

「本当に?」

甲斐の行動に対して、気もそぞろになっていた響は慌てて真面目モードにスイッチを切り替え

「ほんと、ほんと」

と軽めだが真剣に答えることとなった。


──

もちろん、そんなやりとりは不毛であって、少しくらいならいいかな。ほんのちょっとだけ買おうかな。
という響の甘さが積み重なり、はじめは気付いてないフリをしていた甲斐だが、約束をしてからちょうど一週間、見て見ぬふりができない程度に、響の行動は杜撰さを見せ始めていた。

「響は本当にお仕置きが好きなんだな」
「へぁ?」

唐突に「お仕置き」という単語が、甲斐の口から出てきたことに、響は後ろめたさと驚きと恥ずかしさで、言葉にならない言葉を吐く。

「いやぁ……ほら……ね」
「あ、大丈夫大丈夫。言い訳なら膝の上で聞くから」

甲斐はそう言いながら、部屋で立ちすくむ響の手を取りソファまで引き連れていく。甲斐はソファに座りながら、響の手首をぐっと強く引っ張ると、あっという間に彼女を膝の上に乗せた。
さっきまで部屋の掃除をしていたので、動きやすいTシャツにスウェット姿の響は、抵抗する間もなくするりと下着まで降ろされお尻が丸出しの状態になる。

「いや、ちょっと、待って」

甲斐の手で腰を抑えつけられているので、うまく上体が起こせないがなんとか甲斐の顔を見ようと振り返って響は言う。
響にはその表情は見えないが、甲斐はひとりニマっと笑うと右手をむき出しのお尻の上にそっと置く。

「待つよ。なに?」
「ふぇ?この状態で?」
「言い訳しなよ、どうぞ」

彼氏の膝の上に乗せられて、お尻が丸出し状態で何を話せというのだろう。響は甲斐の底意地の悪さを改めて実感している。
でも、言い訳できるならしておこうと、とりあえず何か発言しようと必死に頭を回す響。

「……あ……あのぉ……あのね」
「なに?」

ゆっくりと響のお尻を撫でていた手が一気に上にあがると、そのままお尻のど真ん中に平手が打ち込まれる。肌と肌がぶつかりあった大きな破裂音が部屋中に響きわたる。

「痛いっ!」
「そりゃ痛くしてるからな」

ゆっくりとしたペースで2打3打と、左右均等に平手が打ち落とされてくる。そのたびに白く細やかな肌をした響のお尻に、甲斐の掌のあとがくっきりと浮き上がる。

「一週間、寂しかったんだろ」

この約束をしてから、甲斐は慌ただしい一週間を過ごしていた。家に帰るのは寝るときだけ、起きていてもパソコンの前に向かっているか、電話しているかで、まともに響の相手をすることができなかった。
それはそれとして、そんな忙しい中でもモノが増えていっていることは誰でも気づく程度の量で、響が甲斐に構って欲しいのは火を見るより明らかだった。

「ふぇ……さみしかった……」

両足をバタバタつかせ、まるで子どものような言い方で響は本音を吐いた。
パシッパシッと乾いた音が響いているが、いつもより軽く叩いているようで、いつも大騒ぎする響が、今日は大人しくお仕置きを受けている姿を見て、とても愛おしく感じた甲斐だった。
響が買ったモノと言うのも、タオルや食器など日常的に目につくモノばかりで、甲斐に気づいてほしかったので、響は叱られてはいるものの心の奥では充実さを感じていることだろう。

甲斐の叩く手はまだ止まらないようで、軽く50回をこえ響のお尻は全体的に薄紅色に染まっている。

「ごめん……なさいっ……」

涙まじりの響の声はいつにも増して、とても可愛く聞こえる。
そんな声を聞くと、甲斐の振り下ろす手も自ずと強くなっていく。

「約束は、約束だから」
「……さみしかったんだもん」

叩く速度があがっていき、連打と言っても過言ではないほど、打ち込まれる手が速くなってきた。

「いやぁ……痛っ……」

響の泣き声と、お尻を叩く乾いた破裂音だけが部屋中に響いている。

「お仕置きだからね」

甲斐は落ち着いた声で言うと、響はぐずぐず鼻をすすりながら「うん」とだけ答えた。
まだ続く連打に響は泣きじゃくりながら耐えている。響が我慢したので、あっという間に赤くなったお尻に軽くぽんぽんと手を乗せて、甲斐は口を開いた。

「今から買い物いこっか」
「……えっ?」

満面の笑みを見せる甲斐と、涙目で顔も真っ赤になっており、何がなんだかわからない響。
いつも忙しい彼氏のデートのお誘いを蹴るわけがないので、響はコクリと頷く。甲斐は嬉しそうな顔で涙と鼻水でボロボロの彼女に軽くキスをする。
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